フレーズ・ノート 2004 12/24から。

ここでは、脈絡も順序も無いけど、僕のフレーズ、フレージングのアイディアを、特に運指(右も含む)の説明を交えて紹介します。

動画4../vclp1226.mp4 の 0:44位から、1:15までのフレーズの骨格(動画の演奏は即興なので、あくまでフレーズの骨格、内容、抽出したパターンです。繰り返し等は任意。動画では結構しつこくやってるね)。

(3弦)シ(2弦)レミファ(1弦)ラシレ=(陰旋法)、(3弦)ラ(2弦)ドレ♭ミ (1弦)ソラド=(Amペンタ♭5)の1弦3音+1音のシークエンスが基本。そして、1弦上の、ラシレ、ソラド、ドレミのソプラノの動きと、3〜2弦、4〜2弦の和音とを分離、あるいは組み合わせて扱う。低音部は、最初は旋法の順次性、5小節(7連になってから)は、和音の転回と、跳躍、順次の組み合わせ。

上部/下部 の形で表すと

5小節  AmP.T.(PentaTonic)♭5/Dm7(onF)|6小節 E 陰旋法/CM7(onE)|7小節 AmP.T./CM7(onE)|8小節 E 陰旋法→Diatonic/A mlodic min.(Am6)|9小節 E 陰旋法/Am6|10小節 AmP.T. → E 陰旋法/Am6|・・・ 13小節 Dm/Gm(分数和音)|14小節 AmP.T.→E 陰旋法/Gm|15小節 A♭m→Am|

となる。AmP.T.は、Am7、11または、C69の分散、転回として、E 陰旋法はBm7♭5、11または、Dm6,FM7#11(omit5th)の分散、転回としてとらえることが出来るから、上部に常にそれらのコードを選択、また、進行させる事が出来る

*ちなみに動画の最初の分散和のシフトしながらの上昇等等も、旋法を分散和音として扱っている。これは、特に陰旋法でやるのは、僕の持ち技でしょう。

つまり、U.S.T.あるいは複数調的な、二階建て構造を、一本の線で、しかし分散の形で表現するフレージングという事。なので、分散和音の可能性と同じ位、こういうフレージングには可能性がある。音響的(音楽的な)にも、下部、上部の組み合わせの工夫で、下部は上昇、上部は下降・・・等等も考えられる。

技術的には、下部から上部への横の跳躍が難しいかもしれない。一般的にスイープ的なフレージングは、トップをスライドさせたり、右手指をくわえることで音程差、音域をかせぐことが多いと思う。あるいは、低音弦からトライアドの単位でスライドをさせて2Oct.をカバーする。しかし、使われるのは、大抵3和音、せいぜい4和音の分散で、響き的には、「広くなった」という程度の派手さしか狙えない。

スイープのもつ機能性を利用し、音域を広げる際に、高音弦の数音を単位として「跳ばす」ことで、より自由な和音配置をカバーする

跳躍の難しさを和らげるためと、和音配置のひとつのセオリー「高音部へ向かうほど、音程を狭くする」を利用して、4〜2弦の動きは、2弦で順次を挟み、意識、動きの上でのクッションにしている。

奏法的には、スイープと1弦3ポジションの、音程差の広い音階、あるいは分散和音としての旋法の組み合わせという事になる。

超高速の奏法の原理

上の譜例で、15小節のスイープは、両端を重複する弾き方。ヴァイオリンのアルペジオでは特に珍しくない。ギターでも割と使われるでしょう。

スイープを極限まで速くしていくと、両端の扱い、ピックの返し、あるいは「またぎ」が問題になってくる。6連3本弦で三和音5度からの上昇下降なら、「5、R、3、5、3、R」ピックの動きは、BDAD@D @U@DAU。この場合、折り返しから下降へ向かう、@DAUの動きの時に、Dしたピックが、1弦をまたいで2弦をUする。いわゆる「インサイド」な動きになる。これが結構難しい。それを避けるために、1弦の最初の音以降を、1弦はスラー(H.on,off)で 弾く事も出来る。でも、その後2弦をアップしても、次の6連単位の始まりをDで始めるなら、今度は3弦をまたがなくてはいけない。こちらはいわゆる「アウトサイド」。

インサイドもアウトサイドも、実は「弦をまたぐ(弾かずに飛び越える)」動きの難しさが問題になる。

では、弦をまたがなければ?ピックの通り道では必ず弦が鳴る。物理的に。3和音の5度から(第二転回)を例にとると、

BDAD@D@U @D@UAUBU 

B5度 AR @3度 @5度 @5度 @3度 AR B5度 

両端(この場合3、1弦の5度)が重複される音使いになる。そして、両端をまたがずに弾くなら、3+3音の6連は、4+4の32分になる。15小節の譜例では、重複を高低どちらかに限り、それを交代させる事で7連にしている。

勘のいい人はもう気付いたと思うけれど、この弾き方だと、右は6連の時と同じ(厳密には同じじゃないけど、おなじ向き、動作の数ね)動きをしているが、音は32分で8つ出ているということ。6:8は?1.3倍。単純に音数で行けば、1.3倍出ている事になる。

これは、超高速で弾く場合のフレージングの工夫の一番基礎的な原理。しかし、単に重複させるだけでは、芸が無い。重複の位置をずらしたり、重複、つまり、またがずにオルタネイトさせるピッキングに対して、別の1音を左でシンクロさせれば、重複音のない32分のフレーズになる。これらは、単なる「アルペジオのスイープのフレージング」に限らない。さまざまな音使いに対して応用出来る原理になる。

そして、これらの工夫が、自分のフレーズとして定着していくと、今までありえなかった速さの動きに対して、意識がつながっていく。そうすると、逆説的だが、「またぐピッキング」自体も容易になる。つまり、「普通のフレーズ」もその速さ、動き、操作が新しくなる。

超高速で弾く場合のフレージングは、今後紹介してゆくけれど、最も効果的なのは、「自分でフレーズを作る」こと。響き(和音、和声とスケール)のための、音の選択、動きとの関係、音響的なインパクト。これらを試行錯誤することで、新しいコントロールが生まれる。


 

フレーズ12/25は、動画4の0:24〜0:43秒のあたりのフレージングから抽出した。和旋法、ミファラシレミ(移動ドだよ)は、Dm69、Bm7♭5,11thと捉えることが出来ると、フレーズ12/24の説明に書いた。では、具体的にどういうフォームで、この旋法を分散和音的に扱うか。その基本形の一部が、A〜E。で、Fは、動画4の0:24〜で弾いているパターンを整理してみた。(やはり、即興なので、繰り返し等々は任意)。楽譜に振った、指番号は人差し指と小指の関係をつかんでもらうため。特に、人差し指の小セーハの移動、シフトが、小指に接近して行くパターンに注目して欲しい。和旋法のフレージングは、これからも随時追加する予定。

和旋法のフレージングに関しては、書きたいことが山ほどある。特に、「旋法はそれ自体では和声進行しない。Sus4や4度推積和を、あくまで旋法の全体の響きの個性として恣意的に用いる」という常識?を、僕は覆している。旋法は、それ自体で、機能和声に匹敵する和声法を持ち得る。で、その旋法和声法の表現として、旋法のフレージングが可能なので・・・ともかく、書きたいことがたくさんあるわけ。

で、特にAの、第二転回(R、3、5の5を低音へもってくる配置)にR、2、3、と、2度の経過音を入れて、オクターブ単位で上昇、下降するパターンは、なかなか面白いので、エチュードを一曲。

テンポの指定は、もっといける人は240でも260でも。で、いきなり速く弾く必要は無いので、ゆっくりからやってみてください。

人差し指の小セーハ単位が小指に接近しつつ、移動していく、というパターン。で、響きは・・・いかにもエチュードでしょ?単純で、だからこそ無理があるっていう響きは、ツェルニーぽくもあり・・・でも、最初のC→Em→F→Gが4拍でしかも同型の和音で・・・まるで古き悪しきポップスみたいだね。ちなみに和声法としては完全に禁則だらけ。しかしまあ、こういう運指、和音のパターンというのは、恐らくこういう連続では、まずほとんどのギタリストが、弾いた事が無いと思う。

ちなみにエチュードというのは、同じ動機をしつこく、明快に使うという「形式」として、いわゆる「発表会用」というか、「練習曲」という範疇を超えた意図で書かれるものもある。

僕は子供の頃から、自分用のエチュードを書いてきたので、こんなベタベタのは、ちょっと、ね。アレなんですが。まあ、ネタ的に新しいので。で、転回というのは、基本形、第一、第二、第三、組み合わせて使うものだから、いわゆる、楽曲としてのエチュードを書くとしたら、同型の転回で押しつつ・・・うん、書きます。でも、上の同一パターンの連結型も、ちょっと面白いね。弾いてみてね。


 

ペンタトニックの指板上での扱い。とりあえず一弦3ポジションのペンタトニックの5つのパターン(あるいはペンタトニックの、基音の移動による、再モード化)をのせておきます。 で、それをコード・フォーム的分散和と混合して使うのが、下のフレーズ。

「ペンタトニックを、順次(全音)を含んだ、和音として扱う」

1.のAm P.T.は、第二転回(5度が低音)のAm7,11thを意識して、ド・レ・ミ の順次から、3弦2弦の関係を利用して、4弦から、コードフォーム的に、ミ・ソ・ラをとった運指。 最初の薬指のセーハはあんまりスイープでは使わないだろうか?でも、とても便利な運指だと思います。

2.3.のDm P.T. は、10フレットの5度型のDmのコードフォームを利用して、5弦で全音・1音半の音程の3音、また、3,2弦でファ・ラ(フレーズ2)、ファ・ソ(フレーズ3)をとって、やはり4弦から、コードフォーム的に。で、フレーズ2の2小節目は、セーハがDmのコードから、Csus4.69(ド・ファ・ソ・ラ・レ)のコードの領域へ拡大する。小指をあらかじめ意識して、2小節一拍目の、4弦12フレット、レ、へ置くようにして下さい。

../ongen/rec-20041228-2153.mp3 で、上のフレーズを「使って(変形、繰り返し等)」、DmのP.T.のみで弾いた音源。荒いです。僕にしては珍しく、ストラト型のスタインと、マーシャル・アンプ(アンプシミュのマーシャルのチャンネル)リア・マイクのみ弾いたのね。空間系もほとんど無いし。しかし、あまりにも荒いので、参考になるか、アレなんですが。ちょっといい人でいることに疲れたので、こういう演奏になりました。(うちょ)。 それにしても、こなれてないなあ。速くないし。マイナーペンタ一発って、普段ほとんど弾かないけど、これはこれで面白い。でも、やっぱり、得意じゃないなあ。一種類だけのモードって歌いにくい。うむむ・・・

ある程度、一弦3音のペンタを弾きなれている人は、僕のとっている運指の法則性というか、チョイスが分かると思うんですが、後ほど説明します。

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(・。・)
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