リードシート奏法・その2(応用のコード・メロディー)  2005 1/3 より

1/4 ブルースの練習曲追加。1/5 ターンアラウンドとデッドスポットのクリシェのコード・メロディー化、2声化。追加

Cのブルースのソロ演奏。いわゆるジャズ・ブルースの進行と、リハモ、コード・メロディーのフレージング。パワータブはこちら ../gakuhu/c.blues.ptb パワータブを持っている人は、これでとりあえず聞いてみてね。

僕のアドリブの音源を譜に起こしたので、まとまりや展開は、編曲の余地が大いにある。けど、こういうジョー・パス型(あるいはその発展型)のソロのジャズ・ブルースは、なかなか楽譜が無いし、良い教本、具体的なものが無い現状なので、参考になると思う。体系的にリードシート奏法の発展型、特にリハモとアドリブに関して書くつもり。

オーソドックスなブルースのソロ化、あるいはアドリブ。この楽譜の解説は後ほど。

コード表記が縦線?みたいになってるのは#です。あと、後半へ行くほどコード表記は省略している。○9、○13等は、○7、9や○7、13th。オルタード・テンションのみ、○7♭13等と表記。

指使いについて。:所々、「斜めのセーハ」を使用します。クラシックギターをやってきた人(特にバッハの組曲辺りまでやった人)なら、すぐわかると思いますが。セーハは、普通フレットと平行に人差し指を使う。けれど、二つ(まれに3つ)のフレットにまたがって、人差し指で斜めに押弦するセーハがある。例 5弦ルートを人差し指の先端、4弦7度を中指、3弦短3度を薬指、で、人差し指の付け根のあたりで、♭5度の1弦。つまり、5弦ルートのフレットと、1弦のトップのフレットが違う。この場合、1弦が、5弦より1フレット低い。これはとても便利な指使いで、これが無くては、おそらくヴォイシングの可能性が4割位減ると思う。中指や薬指でルート(や、低音)を取るフォームを人差し指で低音を取る事で変形させたフォームと言えるけれど、楽に押さえられると言う点、コードフォームを変形する際の前後関係で、指を離さずに連結出来る点が、有効。ぜひ自分で工夫してみてください。そういえば、なかなか教則本などでは紹介されていないと思う。

解説:Cの12小節ブルース。はっきりしていないけれど、テーマは、一応最初の12小節。ほとんどコード・メロディーなので、コード、特に低音は出来るだけ音価(サスティーン)を保持する。弱拍に入っているベース音は特に8分表記ですが、次の音まで保持。

リハモの説明: 

@全体的に、コードは強拍。

A全体的に、メロディーはCブルーススケール。

Bリハモは、7thのディミニッシュ代理、2ndly V, II-V Div. また、パッシング・ディミニッシュ。一部インターバリック。半音のアプローチコード多用。

Cコードは全て三度推積系。

D最後の8小節はアウトロ。

E開放弦は、A=VI、SDの3度、IImの5度、として活用。EもIImof IImとして。両方とも、特にベースラインのために。使える時は積極的に使う。

Fベース・コードのランニングはやっていないけれど、若干(要所での)ベースラインの扱い。ターンアラウンドは2声扱いプラスアルファ。

G最初の小節、C16 E7+11 G#7+11 C7 という進行は、いわゆるコルトレーンチェンジ、あるいはインターバリック・プログレス(オクターブ:12半音を整数分して、一つのキー、あるいは一つのコード内で進行させるリハモーニゼーション:再和声付け。例、3分割:CMaj7=CMaj7 EMaj7 G#Maj7 長三度間隔。4分割:CMaj7=CMaj7 E♭Maj7 G♭Maj7 AMaj7 短三度間隔。6分割 C D E F# G# A# 全音間隔。詳しくはまた今度。)のとても単純な使用。もう少し長いインターバルで使ってもいい。特にベーシックなブルース形式は、T S Dのうち、T、Sを2小節あるいは、4小節とるので。

3小節目では、G#7+11thを、4小節目の一拍Gm7(F7へのIIm7)へのVとして扱ってる。インターバリックに行って、そのまま、次の和音へ突入してるわけ。

と、こういうソロの組み立てにも、順序があるので、それは後ほど。

こういうアドリブだと一時間でも二時間でも 弾き続けられるので、ネタはたっぷりあるけれど、2〜3分、数コーラスにまとめるとなると、かえって、なかなか難しいと思う。

動機の扱い、特にコール&レスポンスと、コーラスに入ってからのリズムの統一性が大事。あるいは転調を繰り返しても良い。

で、自分でこういうアドリブを譜に起こしてみると、やっぱりアドリブって、「変奏」の要素が強いなあと思う。特にギターって、クラシックの時代から、独奏では、変奏曲で実力を発揮すると思う。見せ物、聴かせ物的にも。


C ブルースの練習曲。1/4

Cのブルースのコード・メロディー、あるいはソロ演奏の練習曲。最初は基本的なコードの四つ打ち。先へ行くほど、リハモとリズムが裏を取ったり喰ったりするけど、全体的に単純。弾いてみてね。パワータブはこちら../gakuhu/c.bluesrenshyukyoku.ptb

テンポは自由に。最初はとにかくゆっくりと。譜読み、特にリズムの練習にもなる。

Cのキーでブルースというのは、スタンダードでも少ないし、F,B♭、E♭が多いと思うけれど、Cで、機能和音と、代理をつかむと後でわかりやすいです。ギターはキーによって、運指、コードフォームとそれに付随した、コード・メロディーと、フレージングがかなり変わる。これは「鳴り」という物理的な条件によるものだけれど、平均率に調律されたピアノでは味わうことが出来ない、「キーによる響きの違い(物理的なテンションが与える、キーによるちがいでは無く、つまりハーモニーの微妙な硬軟。平均率は平均的で特にピアノはどのキーでもハーモニーに硬軟がない。ただし、高音部低音部では、旋律カーブといって、高い音はより高めに、低い音も若干だがより低く調律されている。ギターを、ハーモニクスで全て調弦すると、フレットは平均率で打ってあるけれど、完全音程はかなり調和(うねりが少ない)する。開放弦とその倍音を多く含む和音、調ほどそれが顕著で、逆に長、短三度は若干弱くなる。ちなみに、ショパンの時代位までは、いわゆる現代の数学的平均率では無くて、ハーモニクスと3度の響きを使って複合的に調弦されていた(複合純正律と呼ばれる)。だから、ショパンは彼の曲を自分のピアノの調律のハーモニーの硬軟で、調を選択していたという仮説もある。3度のかげりや、鋭さ、また完全音程でも発生する若干のうねりを曲に活かしていたと言われている。ギターの場合は、5弦のハーモニクスから全体をうねりが無く調弦して、あとは耳を頼りに、特に3、2弦の長三度、6、3,2,1弦によるEmの響きを、好みに応じて数セント調節する。僕の感覚では、調弦した後、チューナーで見ると6弦は数セント低く、3弦は数セント高く・・・あと、オクターブチューニングでも、少々癖があると思う。もちろん押弦でも微調整する。)」が、ギターでは、顕著に現れる。(開放弦や12フレットをチューナーで調弦してたらそんなに変わらないけれど、それでもある程度は、弦の張り、共鳴やハーモニクスの鳴り等で雰囲気は変わるでしょう。)で、ギターだと、Cって結構硬い。ローフレットを使っても、張りのあるブルースになると思う。そういう違和感もちょっと面白いと思います。

とりあえず弾いてみて、「コードの上でメロディーを動かす」こと、「リズムの要所にコードを入れる」こと、「コードとベースを絡ませる」こと、「コードとベースラインを絡ませる」ことを、体で感じてみてください。

で、ある程度弾けるようになったら、ブルースの形式が、いかに自然に、生き生きと動機を要求してくるか、自分でアドリブをして感じて欲しい。ブルースは、超強力な形式だと思う。


で、ターンアラウンドやデッドスポットの和声付けの扱いはクリシェ(常套句)の範疇に入ると思う。僕が普段使っているパターンをいくつか。パワータブはこちら../gakuhu/ta-naraundo.ptb

こういうのは、ほとんど無限(まあ、ちょっと大袈裟ですが。)にパターンを増やせると思う。

インターバリック・チェンジは、長三度上昇と短6度上昇。特にコードメロディーでは、トップをブルース・スケールの構成音を使っていることに注目。インターバリックな進行そのものは、かなりえぐい、強引な印象を与えるのだけれど、トップをそのフィールドでのモードに沿う形にすると、とても自然になる。特に、ブルースはトニックでもドミナント7を使う形式なので、「不安定さの安定感」と言える響きのなかで、インターバリックなチェンジはとても馴染む。こういう進行と、リハモ、また音使いは詳しく書く予定。

とりあえず、上記の楽譜を弾いてみて、ジャズブルースのソロ演奏の基本的なスタイルが分かったと思う。

けれど、上記の楽譜では、まだ少々ボイシングや指使いが難しい、という人や、弾くのには苦労は無いけれど、自分のアドリブを組み立てるのが難しいという人のために、出来るだけ単純に、ジャズ・ソロ・ブルースの実用的な原理を、体系的に書いてみたい。(書いた順から、リンクを張ります。)

ブルースのソロ演奏を使って、基本的なボイシング、リハモ、コード・メロディー、アドリブを習得することが出来る。

で、「音楽理論は、弾かなければ、音を出さなければ、絶対に理解できないし、意味が無い」です。タブ譜が入っているから、必ず弾けるはずなので、譜例やダイアグラムを必ず弾いて、音を出してください。絶対音感がある人、絶対音感がなくても、ある程度の音感が身に付いている人は、読むだけでも、刺激があるだろうと思う。けれど、弾かないとやっぱり、内容は、身に付かない。

ピッキングがどうのとか、フィンガリングがどうの、ってのは、たしかにコピーを重ねたり、レッスンへ通えば、ある程度身に付く。けれど、それを、「どう使うのか」「イメージの音、出したい音(連なり、重なり、響き)」を、どうやって、出すか。

「何を弾くか」「どんな音(連なり、重なり、響き)」をどう選ぶか、が、実用的な理論です。

という事で、「解らない」と、実用性も無いので、ごく基本的なコードの扱い等々も交えながら書いて行きます。


ジャズ・ブルースのソロ演奏の実用的な原理
「目次」 と簡単な説明

ソロ・ジャズ・ブルースの実用的原理

A。コード・フォームとコード進行

1.分離と分割
二次的なドミナント進行
II-V Division

2.ルートの省略とトップ・ノートのメロディー化(1:1 コード:メロディー)
トップ・ノートのコードスケール化。コード/メロディーの基礎
転回。同一コードのフォーム・チェンジ=シフトの例
動機(モチーフ)について

3.ルート省略と転回の実用
練習曲と解説

4.代理和音を使って、ブルースを進行させる
7thコードの二種類の代理和音
代理コードの練習曲
ランニング・ベース/コード
ランニング・ベースの法則性

5.オクターブ分割の代理進行 

B. 動機の扱いと、リズムコンピング

1.A. 各コードにおける、キーのブルース・スケール各音

B. 各コードの分散和音と、2度の経過音

2.ブルースのメロディーとコード・メロディー

A. 1:1〜1:4以上のコードメロディー。シンコペーション。

2.ブルースの常套的フレーズとコード・メロディー

3.クリシェとその活用

4.コーダルな常套句あるいはバップ

D. イントロとアウトロ

E. 転調

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